最強のAgitator 大前研一氏

大前研一著の「知の衰退」からいかに脱出するか?を読んだ。
本書を一行で説明すれば、所謂ゆでガエル現象に陥っている日本人を、「考える力」というスキルを身に付ける事でグローバル社会に対応できる人材が育つだろうという内容である。

これまで幾度となく大前氏は日本人に対し現状にダメ出しをし、書籍やコラムと通して彼の自論提案し続けていたが、本書はそれとは全く違う、今までの大前ワールドから飛び出した本であると思えた。

読み終えた印象として、今までは
「世界のスタンダードが○○××になっているから、日本もこうしなさい!」
だったのが、
「世界のスタンダードは○○××になっているのに、お前らはもうダメだ!もう知らん!」
と言っている様に聞こえた。

大前研一氏が書く本は、私のようなビジネスライクじゃない人にとっても大変興味深い。
これまで私は、彼の著作or訳書のロウアーミドルの衝撃ザ・プロフェッショナル大前研一 新・経済原論エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics)を読んできたが、取分けハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代というダニエル・ピンク著の訳書がクリエイティブな事をしたい人間とビジネスをしたい人間の美味しい所だけを魅力的に教えてくれる素晴らしい本であった。

私が思う大前氏は、日本人で数少ない世界的認められたビジネスパーソンであり、尚且つその本人が自信に満ち溢れ、自慢も多い方だがタブーへ厳しい突っ込みをいれる勇気ある人物という印象がある。
私が読んできた著作もどれも言っている事は一貫しており、「○○××するように心がけようね」と優しく背中を押すような語り口であったわけであるが、今回はいままでに無い論点のアプローチの仕方を見る限り、大前氏はキレている

批判の矛先に挙げたのはパっと思い出す限り、
・少年週刊誌ジャンプ
・クイズ・お笑い番組
・ゆとり教育、英語教育
・藤原正彦氏の「国家の品格」で語る「情緒」
・夢の小さな現代の若者
・それを批判する大人
・小泉元首相から麻生現首相までの日本のリーダー
・マスコミ
・年金問題、給付金
・サブプライムローン
・その他「考える」事をしない日本人全般

と、「集団IQ」の低さがどれだけイタい事かをありとあらゆるジャンルに食い込んで説明していく異色作である。

「その通り!」というものから「えーこんなものまでー!」と、著者独自の意見をあらゆる事にぶつけていく。
記事のタイトル通り、著者はおそらく良い意味での日本最強の扇動者だと私は思っている。
読者に一般ピープルでは知らないor感知仕切れない事実を並べで怖がらせて、ヘコみきっている所に蜘蛛の糸を一本垂らすような、人の心理を巧みに操作し読む者をひきつける天才である。

本書を批判しているのか賞賛しているのかわからない文面になってしまったが、「日本景気低迷・衰退の本当の原因とその根拠」、知識が豊富≠有能の理由、この2点は大前氏らしい独自の視点で大変参考になった。

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