日本科学未来館常設展に学ぶプレゼンテーションテクニック

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つい先日、日本科学未来館へ行ってきた。
設計は日建・久米設計の共同体で、ランドスケープデザインはハーグレイブスが担当している。

建築を見たり大平氏のプラネタリウムを見たりと色々と目的はあったのだが、その中でも常設展の説明に使われていた模型や、その見せ方のアイデア自体に関心が向いた。飲食喫煙はもちろん禁止であるが、ここは写真撮影OKなので忘れないようにと気になったブースを撮影。

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特に見ものだったのが地球環境とわたし
世は空前のエコブーム。いたずらに我々市民を動揺させ、実際の所どうなっているのか気になったらここがピッタリ。科学未来館ではかなり中立の立場(当然なのだが)で地球環境の本質的な問題点を、模型・映像・壁と一体化した綺麗なパネルで上手にレイアウトされ、普通写真や模型が説明パネルの前にポンと置かれ、文字を読みながら見ていくものが多い中、ここでは立体的に解説している点が素晴らしい。例えば右の画像、この透明な球体が止まる場所の底に小さなモニタがあり、球が止まると上部から球体を通じて色々な”何か”が映し出され、この球体の動線は海や空や森とのつながりを意味している。一見関連が無いと思える事象が、実は自然破壊・生物の絶滅へつながっているという事をこの球体のユラユラした動きで伝えたい事を解りやすく表現している。

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こちらは秤の模型に、右側には金の指輪が乗せられ、左側には何も無い。この小さな指輪1つを作るのにどれだけの”自然”が関わっているかを伝えるもので、指輪に触れると左のモニタから鉱山をトレーラーが駆け回り森林を伐採してゆく映像が流れる。例えばこれが、金1gあたり鉱山を●●だけ抉り、その中の○○%が貴金属の材料に使われると文字で書いてあれば、定量的ではあるが「ふーんそうなんだ」で済んでしまいかねない。得られる情報としては前述の方法で構わないのだが、関心を持つにはやはり定性的なプレゼンが必要となる。

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続いてロウソクを模した残りの鉱物資源と原子力の寿命を説明したもの。こちらもよくあるのは数字が書かれた表や円グラフなどであるが、こちらではロウソク=いつかは必ず無くなるというメタファーを含ませ、左の小さなロウソクが鉱物資源量で、右の大きなロウソクが原子力エネルギーと、その寿命と可能性をロウソクの大きさで表現している。
こちらも定量的に迫るよりも、パっとみて原子力エネルギーはこんなに可能性があるのか。と、関心のきっかけを与えてくれる好例だ。子供がいじらないように小さなロウソクにはカバーがかかっているのがちょっとカワイイ。

今回紹介したものはほんの一部にすぎない。
他にもインターネット物理モデルと呼ばれるコーナーがあり、大規模にコンピュータネットワークのパケットを、黒と白の玉の構成で表現し、子供がその玉を任意のパターンで並べてセットすると、おそらくルーターを表現したであろうベルトコンベアで玉が持ち上がり、ゴロゴロと転がりながら各点を中継し、最後には最初と同じパターンで玉が戻ってくるという”情報伝達”のイメージモデルを、映像ではなく巨大な模型で表現したりと、自然科学を見て触って学ぶ本来の目的よりも、こうした人間の目以外の感覚器官を上手に刺激したプレゼンテーションテクニックばかり注目していた。

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あっという間に時間が過ぎてしまった。
次行く時はメモ帳を持参してドップリ勉強しにいこう。(プレゼンテクニックを)

左は科学未来館に隣接するロッテリアの客席にあつまるスズメ。

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