ヘッドセット普及化計画

私の小道具の中でもはや無くてはならない存在となってしまったBluetooth Headset。
使用しているのはVoyager 855
当時17800円もして高いと思ってはいたものの、スマートフォンはもちろんデスクトップにもラップトップにも使っているのでバッテリー対策にもう1つ欲しいくらいである。


ヘッドセットは何故普及しなかったか

http://d.hatena.ne.jp/taitoku/20080510/1210378712
こちらに面白おかしく紹介されている通り、欧米のソレほど殆ど普及していない。
私が東京にいて今まで見たことある(東洋系の顔立ちに限る)のは、工事現場のハイテク現場監督かどこかのPCショップスタッフのみである。
ショップスタッフはデモンストレーションを兼ねていると見れば、利用者としては現場監督のおじさんのみということになる。きっとどこかで仕事やプライベートで利用している人はいるだろうが、路上で普通に使っているのはいつも外国人なのが現状だ。

上記記事の社内で不評という話と同じく、私も「なんか腹立つ」と言われた事がある。
勿論冗談めかしてであるが、「またなんか変な事やりだしたぞ」という様な目で見ていた事は事実である。
普及するポテンシャルやニーズは十分に満たしていると思うのだが、流行らない理由を考えてみる。

まずはコストの面。
BTヘッドセットが登場してから現在では随分お求め安くはなっているが、ちゃんとしたモノとなると片耳タイプで6000円以上が相場だろうか。
そんなに高い印象は無いのだが、携帯を手で持って会話をする人達にとっては余計な出費と思ってしまう価格帯ではなくも無い。しかし、流行の兆しが見えれば障壁となるような問題点でも無いので、価格に関してはクリアとする。

そしてデザイン。
私が思う主要因と思われる外観。
JabraもPlantronicsも年々スタイリッシュで小型な新作を投入するも、皮肉だがこれが日本市場に対しては逆効果なのかもしれない。
未来派でカッコよくなればなるほど、路上で注目を浴びてしまう。
心理的障壁が無くなるくらい普及してしまえば問題無さそうだが、デジタル機器にさほど関心が無い人からすればきっと私が思う以上の抵抗感があるだろう。
携帯には無い出さなくても常に見られるというファッションアイテムとしての顔もヘッドセットにはもっているのだ。
私が購入時悩んだ事も、ステレオ音声が両耳で聞けるかどうかよりも、身に付けて歩く時出来るだけヘッドフォンのように着用できるかどうかだった事もあり、その点ではソニエリのHBH-IS800のような物のほうが良いのかもしれない。

今売られている片耳タイプのシェイプは、明らかにビジネスマンをターゲットとした形となっている。
ここはインスタントカメラのあり方を変えたチェキのプロダクトマーケティングに習って、高校生・大学生向けのヘッドセットを考えてみるのも面白いかもしれない。
携帯通話は仕事中の会社員だけでは無く、通話時間で見れば若いカップルや友達同士の方が圧倒的に長い。
ソフトバンクをはじめ、各社も同じキャリアであれば通話料無料というのが今後メジャーになるだろうから、自宅のベッドや椅子に座りながら長時間話す学生や、家事で忙しい奥さんなどをターゲットにした方が海外メーカーからモノも売り方も輸入してそのまま売るよりフィットする余地が十分にあるだろう。
特に女子高生は本当に売れそうな気がするのだ。
花の形をしたブローチのようなものでアクセサリーの延長線上として位置づけたり、何か動物をデフォルメしたようなキャラクターを耳につける事が「かわぃぃ~」となるような仕掛けをしたり、携帯のガラパゴス現象の如くBluetoothヘッドセットも日本独自の使われ方をしたほうが寧ろ自然なのかもわからない。

若者だけではなく、音声ダイアル(登録した発信先名を声で呼び出す)機能をより強調して、有害な携帯の電磁波から遠ざけるお年寄り向けヘッドセットや、スノーボード・ジョギングなどの防滴機能付きのものなど色々ある。
今のヘッドセットはイメージ写真も広告の仕方も、タイトなスーツを着てゼロハリバートンを片手に早歩きをしながら空港のロビーを歩くビジネスマンの様なイメージが強い。

以上デザインが普及しない主な要因として取り上げたが、モノのデザインだけではなく、ヘッドセットにまつわるモノゴトをデザインする事も、商品を売るだけでなく社会的意義の高いプロダクトに化ける可能性も秘めている。

誰かとおしゃべりや面談中携帯が鳴った時、「ちょっと失礼」と携帯を取り出し席を外して後ろを向いて通話を始める。これはよく見る風景だ。
私はそれを自分でする事にとても抵抗感を感じるので、誰かと食中や外出している時は携帯をよくオフラインにしてしまうのだが、ヘッドセットという存在は自分の周りにいる人と携帯の先にある遠方の誰かとの距離を縮める可能性をもっているのだ。

通話開始ボタンを押し、片手でそれを持って、笑ったり怒ったり音声のみのやりとりをする。
ポケットから携帯を取り出した時点で、周りにいる人はその人と壁が出来あがる。
何も言わずも相手が携帯を出した時点で「ちょっと失礼」というメッセージを伝え、会話は中断するものなのだ。
その原因が携帯電話で話すという行為にあると見ると、ヘッドセットのあり方も変わってくるだろう。
例えばヘッドセットがスピーカー形式になり、自分以外の人にも聞こえ、自分以外の声が通話相手にも届き、携帯電話という1対1の関係から複数対1というコミュニケーションもより自然になる。

他にはジャニーズタレントをCMに起用するも見事失敗し、もうすぐサービス終了になるPTTの復活も見込める。
トランシーバーの様な単信通信では、まさにヘッドセットの独壇場ではないだろうか。
PTTは複数の人にまとめて質問を投げたい時や、どこか待ち合わせをして確認をしたい時、短時間の音声のやりとりをかけたり止めたりを繰り返す場合に威力を発揮する。
メールや電話などのコミュニケーションツールは、「会って話す」を前提とした簡潔で短いやりとりが主である。
会うほど重要では無い連絡事項の伝達など、ちょっと伝えたい事があるけどわざわざ現地へ行く必要が無いときに有効であり、PTT普及の見込みは十分にあったといえる。
しかしポケットやカバンにしまって出来る物理的距離が、その些細なやりとりをする機会を失ってしまった事がサービス終了に追いやった要因とするならば、常時オンラインでいつでも音声を聞けるヘッドセットという存在は鬼に金棒ではないだろうか。

私のVoyager 855がいつでもどこでも耳につけてもそれがごく自然の風景の一部になるまで、身の回りだけでも普及活動を続けていこう。

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