公開シンポジウムに行ってきた

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今日の午後、京都工芸繊維大学 新世代オフィス研究センター(通称NEO)主催のシンポジウム「新世代のオフィスを集合知で読み解く」へ行ってきた。場所は神保町駅目の前の学士会館大会議室。
概要はこちらに載っている。

※記憶を辿った個人的な感想なのでご了承下さいませ

13時15分から途中休憩が入り18時まで2007年から開始された各研究内容の結果報告にはじまり、後半のメインコンテンツである第2部PDは会場から終始笑い声が聞こえ、終始リラックスした雰囲気で催された。
参加者の9割以上が事務機器メーカーや経営コンサル関係の人達で、学生は見渡す限り数人だったように思える。

センター長の挨拶と、シンポジウムの主旨説明が終わった後、まずは3つの研究分科会による研究報告が行われた。
その分科会「知的生産性研究」「プロトタイプ研究」「評価手法研究」も予め決められていた組織ではなく、研究対象自体を皆で議論して出された結果、共通テーマとして3つに絞られたようだ。
詳細は公式ウェブサイトにて。

三つの中で今回私が気になったのは、プロトタイプ研究分科会によるトピックビジュアライザー(以下T.V.)に関する研究。
うろ覚えで申し訳ないが、日常何気なく個人が使う「メモ」をシェアさせる事で、他者の「気づき」を誘発させようというもの。
自分の為に書いたアイデアや文章を、デスクに付けられたカメラで頭上のモニタに投影して他者が見えるように可視化させ、SECIモデルでいうSocialization→Externalizationへの交換を無意識で行える様にしたといえばいいだろうか。
間違っていたらごめんなさい。

プロトタイプの装置自体は大掛かりなものであったが、ただ「自分用のメモ書きを相手に見えるようにする」というシンプルな操作だけで、会議中の沈黙時間合計の減少や発話文字数の増加、そして会議中に出てくる数ある単語がT.V.導入前と後では大幅に単語間の意味合いネットワークが濃く無っていることが蜘蛛の巣状の線グラフで結果が出ていた。
こんな単純操作で会議のクオリティが劇的に変化するとは、面白い研究内容である。

第2部のPDは集合知を利用してオフィスを考えるとどうなるかというお話をパネラーが各自用意し、事前にスライドでプレゼンをした後にパネラー同士でディスカッションをするという内容であった。
面白かったのは、中西さん・地主さん・本江さん達のお話。

中西さんIDEA CAMPというワークショップ的なものをやられているようだ。
これはステーショネリーから空間を構成するという考え方で、用紙のサイズや位置の違いから人対人の関係性に変化が出るというもの。詳しくはこちらをご参考に。

地主さんはノンテリトリアルオフィスは本来スペースソリューションでは無いという話から入り、ローパーティションによる自己組織化していくオフィスデザイン事例を基に、最終的にデザイナーがデザインする余地が無くなってしまうのではないかという話をされた。

先月、ノンテリトリアルがクリエイティブワーカーにプラスにならないかという事を日記に書いた私だが、てっきりスペースソリューションがノンテリトリアルの起源だと勘違いしており、キュービクルオフィスの問題点の解消としてオープンなレイアウトが検討されたという点で、ノンテリトリアル本来の目的を私はさぞ新しい事であるかのように書いてしまったようだ。恥。
しかし、ノンテリトリアル=スペースコスト削減に有効と思っている人はたくさんいると思われる。

そして、本江さんのお話。
コルビュジェ設計のぺサックの集合住宅(Quartiers Modernes Fruges)を例に取り、当時売れなかったこの住宅を安売りし、住民があの手この手で屋根を付けたり窓を変えたりして、ファサードが全くコルビュジェっぽく無くなってしまい、その後今になってコルビュジェ作品に史的価値が見出された時には、元の状態に全部戻しましょうとなっていった一連の流れから、集合知によってデザインしたというよりも、「みんなの考えに二度も振り回されていた」と話をされた。
集合知への捉え方と稀に織り込むジョークのセンスがユニークで面白い。

今まで身の周りに同じ分野に興味がある知人・友人がいなかったので一人でコソコソネットで調べたり本を読んだりしていたが、やはり第一線で研究をしている人達の話は新鮮で面白い。
「知識創造の場」という定量的に分析しづらい対象を各専門家が独自の視点で研究している姿は、凄く私のモチベーションの手助けになった。
とはいえ一部私には少し難しい概念や単語も出てきたので、先月購入した紺野さんの著書「創造経営の戦略」から建築以外の基礎をコツコツ学んでいこう。

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